救援物資補給に期待。ダンボール製のドローン「Sky Machine」

先日、たまたま見ていた記事に自然に返る紙製ドローンの紹介がありました。「紙製ドローンってなに?」というのが私が感じた最初の印象なんですが、関連するいろいろな記事をよくよく読み解いていくと、それは一般的なドローンのようにプロペラやバッテリーを積んでいるのではなく、大型の紙飛行機のような形状で、かつ飛行機で空から落とすことで自律飛行を実現し、目標とした地点へ着陸するというものらしいです。

百聞は一見にしかずなので、詳しくは添付するビデオを参照して欲しいのですが、まず注目すべきは紙という素材の加工のしやすさであったり、価格の安さであったりという有用性でしょう。ダンボールのような紙でできたドローンと言うか、紙飛行機。これが空中から落下させると風に乗って自ら飛行を開始して、内蔵された最小のコンピュータチップによって着地点を解析、数メートルの誤差で着地し、数ヶ月もすれば紙は自然に分解され土に返るという、エコロジーも感じられる技術です。

 

 

ところが、この消滅する技術の開発は、軍事的な意味合いが強いらしいです。このドローン技術を開発した OtherLab はアメリカ国防高等研究計画局(通称 DARPA: Defense Advanced Research Projects Agency)から資金提供を受けており、DARPAは、最先端技術の詰まった戦略的ドローンが仮に撃ち落とされて敵の手に渡った場合、その技術を解析されることを避けるために自然消滅するドローンの開発を急務と見ているようです。今回開発された紙製ドローン「Sky Machine」は、紙素材を使ったことによりある程度の目的は達成されましたが、内蔵チップなどの消滅に向けて OtherLab はさらに研究を進めているようです。

軍事的な意味合いが強い「Sky Machine」ですが、平和的利用にも十分効果を発揮してくれそうです。「Sky Machine」の胴体中央部に付いた赤十字のマークがそれを指していると思うのですが、災害や紛争時における人道支援物資の配達も利用目的として考えられています。運用の手法としては、大型輸送機に数百の紙製ドローンを装備することができ、一度の輸送飛行でカリフォルニア州全域に医療用品を届けることができるそうです。これは非常にすばらしいことですが、私は「天空の城ラピュタ」で城からからどんどん放出される空飛ぶロボットのシーンを想像してしまいました(笑)。

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(左:New Atlas サイトより、右:OtherLab 公式 YOUTUBE 動画より)

 

OtherLab が開発した自律飛行システム(通称 APSARA: Aerial Platform Supporting Autonomous Resupply Actions)における一番すぐれた点は、今述べたように一度に数百機の配達ドローンを飛ばせる点です。逆に言うと、このドローンを飛ばすために実際の飛行機を飛ばさなくてはならないので、相当数の配達ドローンを飛ばさないと採算が合わないことになります。Amazonの配達ドローンサービス「Amazon Prime Air」も昨年末から試験的に開始されていますが、一日一回、一気に配送してしまうなら断然こちらの方が効率が良いように感じます。ネット通販の普及で宅配業者のリソースを圧迫している状況を改善するには、このように革新的なサービスが望まれる訳ですが、いずれにしても航空法規制の厳しい日本では、導入は夢のまた夢といったところでしょうか。

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(Amazon 公式 YOUTUBE 動画より)

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OtherLab ブログ – OtherLab公式
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Kentaro Yamada
取締役 販売促進部 部長| こんな仕事をしてみたい、こんな経験をしてみたいと心の底から念じることで現実になることが多いです。上杉鷹山の「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」と全く一緒で、強く念じるということは自然に自分の行動へつながるんだと思います。 お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ。