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ますます加熱する宇宙開発、ニュースペースの活躍に期待

先日みつけた記事にIBMのWatsonを使ったAIロボットが国際宇宙ステーション(ISS)に配属される予定だと書いてありました。Amazon Echo や Siri のようなタイプのこちらの問いかけに対して回答してくれるというものなのですが、形は丸型、中央にディスプレイがあり、そこにAIロボットの顔が描かれています。この顔、最初にみた時にウソだろ?と思ったくらいチープです(笑)。名前はCIMON(サイモン)と言うそうです。

記事によるとISSでの実験はドイツのアレクサンダー・グレスト宇宙飛行士が担当し、今年の6月から開始するとのことでした。私が非常に興味を持ったのは、ISSに配備するロボット(一部の記事では球体ドローンと呼ばれている)には直接AIが搭載されているのではなく、AIであるWatson自体は地球上にあるIBMのスーパーコンピュータに存在し、CIMONと接続するというものだったからです。

もしこの内容が本当であるとするならば、その通信処理速度ってどの程度の遅れが生じるものなのでしょうか?答えは光と同じ速さで通信が可能なので月までの距離約39万キロで1秒程度だそうです。つまり、400キロ上空にあるISSとはほとんど遅延が無いと考えて良いでしょう。ただ、このロボットは将来月や火星への宇宙旅行においても、搭乗員のストレスを軽減するために利用する予定とのことなので、さすがに火星に向かう宇宙船にはAI自体を機内に実装するしかなさそうですよね。

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最近はイーロン・マスクの火星移住計画をはじめ、月の開発計画も各国政府や多くの民間企業が企画し実行しようとしています。以前このブログで取り上げた民間の月面探査レース、Google Lunar XPRIZE に参加していた Hakuto の母体企業である ispace も月で氷を掘り起こして水素と酸素に分解し、その燃料で地球との間を幾度と往復するようなプランを掲げていて、向こう2年以内という短い時間で月への到達を目指しています。

残念ながら Hakuto 自体は月面探査用ローバーのロケットへの相乗りを予定していたインドのチームが資金準備不足の理由で打ち上げを断念したためレースから離脱せざるを得ませんでしたが、昨年末に101.5億円という資金調達を成し得たことで少しずつ現実味を帯びてきていますし、私個人的には是非とも宇宙開発の未来を切り開いて欲しいと思っています。

ispace のようにスタートアップとして宇宙開発を目指す企業を「ニュースペース」と呼ぶようですが、通信分野においてもニュースペースの活躍がめざましいです。イーロン・マスクの SpaceX や Softbank が支援する OneWeb は地球の低軌道(高度2,000キロ以下)に無数の衛星を打ち上げて衛星通信サービスを開始し、インターネットが未だに使えない42億人を含めた全世界をカバーしようとしています。この無数の衛星群を利用した通信網は非常に効果的ではあるものの、最大の課題は膨大なコストがかかることで、過去に同様のサービスに挑戦してきた企業はことごとく資金難に追い込まれて断念してきたと言います。その一方で、従来数百億円とかかっていた衛星の開発コストを数十億円レベルに抑えるという宇宙ベンチャー(Astranis)も出てきました。

そんな中、FCC(米連邦通信委員会)が3月30日(日本時間)に、4425個の小型低軌道衛星を打ち上げるという SpaceX の衛星ブロードバンドサービスの計画を承認したというニュースが飛び込んできました。ますます加熱する宇宙開発、ここ1,2年でさらなる進化を迎えそうです。

▼関連記事
AIRBUSとIBM、球体ドローンCIMONを開発。AI搭載で宇宙飛行士の作業をサポート – engadget
シリーズAで国内過去最高の101.5億円を資金調達したispaceは月のインフラ構築に挑む – TechCrunch
全世界にインターネットを! ソフトバンクが10億ドル出資するOneWebの挑戦 – マイナビニュース
地球を「丸ごとオンライン」にする数百の小型衛星──米スタートアップAstranisの挑戦 – Wired
FCC、SpaceXの衛星ブロードバンド計画を承認―― 4425個の小型衛星で世界をネットワーク – TechCrunch

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Kentaro Yamada
取締役 販売促進部 部長| こんな仕事をしてみたい、こんな経験をしてみたいと心の底から念じることで現実になることが多いです。好きな言葉は上杉鷹山の「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」と武田信玄の「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」 お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ。

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